2011年8月5日金曜日

トウガン(ウリ科)

トウガン(ウリ科)
 トウガン(冬瓜)は、熱帯アジアもしくはインド原産とされる。ウリの一種ではあるが、単独でトウガン属に分類される。
 日本伝来は遙か昔のことで、遅くとも平安時代には栽培されていた。中国には三世紀伝来との話もあるから、実際にはもっと古いのだろう。

トウガン(ウリ科)
 花はキュウリなどとそっくり。雌雄同株である。

 古い野菜だけど、最近では人気はイマイチといわれるトウガン。しかし、私が京都に住んでいるせいもあるだろうが、特に珍しい野菜ではない。調理も難しくないし、ダシで煮たら上品な味でうまいよね。
 ちなみにトウガンは、大航海時代の間に西洋にも伝わった。ただしヨーロッパ諸国では全く人気が出ず、現在栽培しているのはアジア地域ぐらいらしい。
 隣の国、台湾では驚くべき利用がなされているぞ。

トウガン(ウリ科)
 店頭に飾られたトウガンの実。台南市安平にある冬瓜茶の店の光景である。
 台湾では、主に南部で冬瓜茶が飲まれている。お茶といっても、乾したものを煎じるわけではない。生の実を煮込んで作った汁を冷やして飲む。糖分もたっぷり入っている。感覚的には紅茶に近い。

トウガン(ウリ科)
 別の有名店で買ったもの。左が普通の冬瓜茶で、右は牛乳入りだ。牛乳入りは、まさしくミルクティー感覚で飲む。知らない人には想像つかないだろうが、全く違和感なく飲めるし、良い店の冬瓜茶はかなりうまい。

 トウガンはほとんどが水分で、栄養素はごくわずかしか含まれていないという。なので、飲んだら身体にいいという主張は難しいだろう。
 けれど、炎天下の街で水分補給したい時に、冷たい冬瓜茶ほど適した飲み物はないのでは? そう言いたいぐらい、街歩きで飲む一杯はうまいよ。


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2011年7月26日火曜日

タチテンモンドウ(ユリ科)

タチテンモンドウ(ユリ科)
 アスパラガス・ピグマエウスという。原産地不明、花が咲いた例もないとのこと。クサスギカズラと何らかの関係があると推測されているようだ。

タチテンモンドウ(ユリ科)
 庭園の草としても、観葉植物としてもたいして珍しいものではない。
 実家にもあったのだが、子どもの頃の私は「このアスパラは何年経っても育たないなぁ」と不思議に感じていた。花も咲かないし、大きくもならない。そんな植物には、あまり魅力を感じなかったのだ。

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2011年7月25日月曜日

クサスギカズラ(ユリ科)

クサスギカズラ(ユリ科)
 クサスギカズラは日本など東アジアの、主に浜辺に自生する多年草。漢名は天門冬(テンモンドウ)で、古来薬草として知られる。『神農本草経』には次のようにある。

天門冬 味苦、平。主諸暴風濕偏痺、強骨髓、殺三蟲、去伏尸。久服、輕身、益氣、延年。


 一方でこの植物はアスパラガス属、つまりあの野菜のアレと同じ仲間である。アスパラはもっぱら食用だけど、観賞用の植物も多い。まぁ上の写真を見て「観賞用」だと思える人はいないだろうが。
 ちなみに上の写真はつい先日、小石川植物園で撮影した。

クサスギカズラ(ユリ科)
 これは去年の7月に小石川植物園で撮影。つまり同じ株である。
 クサスギカズラは雌雄異株。私はここの株に実が成っているのを見たことがない。足しげく通える状況ではないから、単に時期が合わなかっただけかも知れないけどね。

クサスギカズラ(ユリ科)
 同じような写真ばかり続く。これは2008年7月に小石川植物園で撮影。同じ株だ!

クサスギカズラ(ユリ科)
 そして2007年7月に小石川植物園で撮影。これも同じだ!!

 なんで撮影地をしつこく書いたかといえば、久々に訪れた小石川植物園で、その荒廃ぶりに驚いたからだ。
 薬草標本園に関しては、恐らくは今年になって一度も手入れをしていないのではないか。方々で植物が枯れているだけでなく、生きているものは伸び放題、花が終わっても摘まないから実が成り放題。あまりの状況に呆れてものも言えなかった。

 もしかして、内部の人間関係の影響で放棄されてしまったのだろうか。大学の施設という扱いだけに、何らかのトラブルがあった可能性は高い。
 けれど、小石川の地の歴史故に植物園があるのであって、一大学の私物ではない。ロクに管理もできないなら、研究機関など名乗るなと言いたい。

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2011年5月8日日曜日

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 こちらもジャスミンの仲間。日本に伝来したのは最近なので、あえて学名そのままで表記してみる(Jasminum polyanthum Franch.)。一般にはハゴロモジャスミンの名で流通しており、日本で普通に育つ珍しい種類なので、本種を茉莉花と認識する人もいるようだ。

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 原産地は中国南部。比較的最近に勢力を広げ始めたジャスミンである。
 北日本はさておき、近畿の街中でもこれぐらいは咲いている。

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 上二枚と同じ木の写真だが、別の年に撮った蕾。大阪府下の某所である(公共な空間ではないのでぼかしておく)。
 実は私のマンションのベランダにも植えてある。最初は窓寄りに置いたが、全く花が咲かなかった。ところが鉢をベランダの一番外側に移したら、急に成長して花を咲かせるようになった。耐寒性があるとはいえ熱帯の花なので、強い日光に当てないといけないようだ。

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2011年5月7日土曜日

マツリカ(モクセイ科)

マツリカ(モクセイ科)
 音だけ聞くと、どこかから北島三郎が出現しそうだが、漢字で書けば茉莉花。要するにジャスミンである。あっという間に消えたアイドル歌手の歌でも有名ですね。

 ジャスミンというのはヤスミヌム属の総称なので、同じものを指すとは限らない。その中で、東アジアのジャスミンといえば、本種である。学名はJasminum sambac (L.) Ait.で、東南アジアの原産とみられている。
 日本では温室栽培しか方法がないから、こんな風に街角で見かけることはまずあり得ない(写真は台湾の台南市内で撮影)。

マツリカ(モクセイ科)
 もちろん強い香りがある。ジャスミン茶に混ぜられるのも本種だ。まぁ安物のジャスミン茶は、香料を使ったインチキ茶の可能性があるけどね。

 なお、茉莉花という名は実は仏教に由来する。サンスクリットのマーリカーが、漢訳仏典で末利華になった。それは『法華経』では、経典を読んだり書写したりする善男善女が嗅ぐことのできる、仏世界の香りとされる。
 だから寺廟にお供えされるわけだが、香りに慣れない私なんぞにとっては、ちょっときつすぎると感じるのも事実なのよね。

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2011年4月28日木曜日

オウソウカ(バンレイシ科)

オウソウカ(バンレイシ科)
 オウソウカといっても、どっかのオヤジが偉そうに頷いているわけではなく、鷹爪花の音読みに過ぎない。
 というか、日本ではほとんど栽培されないから、基本的に和名は存在しない。ただしご近所の国ではわりとポピュラーだから、とりあえずその名を拝借しただけだ。
 学名はArtabotrys hexapetalus (L. f.) Bhandanである。アルタボトリス属で、日本で栽培される種類は特にない。そもそもバンレイシ科はほぼ熱帯のみの仲間である。

オウソウカ(バンレイシ科)
 あいにく実の写真しかない。鷹爪花、鷹爪蘭、鷹爪桃、鷹桃花、油桃花などの名前のうち、「桃」はこの実の形に由来する。桃の実というか、中の種のほうね。
 この植物は中国南部原産で、南方では非常に人気がある。それは強い香りの花から香料をとったため。東南アジアでは産業植物として栽培されている。

 写真はいずれも台湾台南市の開元寺にて撮影した。

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2011年4月27日水曜日

ギンコウボク(モクレン科)

ギンコウボク(モクレン科)
 閩南式の赤っぽい屋根と対照的な明るい緑の葉。これは台湾の台南市にある開元寺で撮影した。

 ギンコウボク(Michelia M. × alba DC.)は中国南部などで栽培される常緑高木。オガタマノキの仲間である。
 学名でも分かるように、現在は雑種とみなされている。ただし雑種といっても最近のものではないようで、潘富俊『福爾摩沙植物記』によれば、明代には中国南部で栽培されていたという。
 ただし潘富俊は雑種説に立たないので、五百年前の話が本種そのものなのかは議論の余地がありそうに思える。

ギンコウボク(モクレン科)
 目立つのは葉ばかり。ホウノキに似た感じなので銀厚朴らしい。『園芸植物大事典』に従っているが、ほとんど栽培されないなかで、この和名がどれほど知られているかは微妙だ。

 台湾では白玉蘭。これは玉蘭(ハクモクレン)に対する名で、中国の文人が愛好したハクモクレンの代用品的な意味合いもあったらしい(台湾の平地ではハクモクレンが育たない)。
 もっとも、大陸ではハクモクレンを白玉蘭と呼んだりもするようなのが困ったところ。その場合、本種は白蘭花だったり白蘭だったりする。

ギンコウボク(モクレン科)
 ただし見た目は地味でも、この花は強い香りをもっている。
 台湾への伝来は鄭氏政権期とみられているが、それは大陸側でこの花を愛好していた人々が渡ってきたから、同時に伝わったということのようだ。

 寒さに弱いので日本での栽培は難しい。しかし温暖な台湾や中国南部においては、比較的育てやすい。

香花
 こんな利用法もある。寺廟に捧げられた香花である。しぼんだ白い花にはこれも混じっていると思われる(大半はジャスミンだろうけど)。
 この花盆は近寄ると強烈な香りがあって、一度嗅げば忘れられないものだ。ついでに、どうにか売りつけようとするオバサンのしつこさも忘れがたい。
 というか、滅茶苦茶高いのよね、これ。台南の某所で、まだ台湾慣れしていなかった私が間違って買ってしまった花盆は、なんと200元(600円弱)もした。だいたい、お菓子付きの拝拝セットでも100元なのだから、べらぼうな値段である。
 屋台の飯なら二人で食っても200元には届かないことが多い。とんでもない値段である(しつこいな)。

ギンコウボク(モクレン科)
 寺廟にも多い木の紹介が、そんな下世話な話で終わるのもアレなので元に戻す。老木の幹の様子でも見ておくれやす。
 花盆以外すべての撮影地の開元寺は、私のお気に入りの場所である。仏教寺院はこういう空気じゃなきゃなぁ、と思えるところなので、皆さんも行ってみよう(詳しくは姉妹ブログを見てね)。

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2011年4月26日火曜日

トウゴマ(トウダイグサ科)

トウゴマ(トウダイグサ科)
 ツノゴマに続いてゴマの名をもつ仲間。もちろんこれもゴマとは関係ないし、食えるわけでもない。というか、絶対に食べてはいけない。猛毒である(加熱すれば分解するという話もあるようだが)。
 トウゴマはトウダイグサ科リキヌス属で、日本で育てると一年で枯れてしまう。ただし熱帯では枯れずに高木状になる。10m近くになるらしいぞ。
 漢名は蓖麻。これを音読みすればヒマで、日本でもこの名で呼ばれることが少なくない。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 枝の上から順番に咲くので、イガイガの実の下には、お世辞にも美しいとは形容できない花が咲いていたりする。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 汚れた泡のような雄しべはさておき、この植物は熱帯アフリカのどこかに自生していたものが、世界中の熱帯に広まった経緯をもつ。それだけの価値があったわけだ。
 ヒマの名で分かる人は分かるはずだが、この植物の種子をしぼると、油がとれる。先に述べたように猛毒なので決して食用油にはならないけれど、工業用油としては優秀だ。つまり、ヒマシ油である(漢字で書けば蓖麻子油)。
 繁殖力が強いので、各地で雑草化しているそうな。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 潘富俊『福爾摩沙植物記』によれば、台湾にはオランダ統治期に伝来したが、日本統治時代に大量栽培がなされたという。ヒマシ油の品質もさることながら、成長が早くてすぐに収穫できるという利点もあったようだ。
 ただし、経済栽培ができなくなると、一転して厄介な帰化植物と化すことになる。皮膚病などの薬として利用することもできるそうだが、何しろ毒があるので、一般人が適当な知識で使うわけにもいかないだろう。

 上の写真のように花が咲きかけの頃は、比較的見栄えもする。いけばなへの利用が、昨今では一番ポジティブな利用法なのではなかろうか。

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2011年4月25日月曜日

キバナツノゴマ(プロボスキデア科)

キバナツノゴマ(プロボスキデア科)
 ツノゴマに似た実がつくが、花も葉もかなり違う。プロボスキデア属ではなく、イビケラ属に分類される。南アフリカ方面の原産である。
 たまたま、この植物を栽培しているところを見学した関係で写真は撮影したけど、どのように利用されているかは不明。観賞用になるとは考えにくいし、この植物の実がピクルスに使われるかも定かではない。

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ツノゴマ(プロボスキデア科)

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 ゴマとは全く無関係なツノゴマ。熱帯アメリカ方面の原産だ。
 写真のように、その実がなんかの角っぽいから角胡麻。属名プロボスキデアはギリシャ語の「象の鼻」だそうで、いずれにせよ反り返った実の形に由来する。

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 で、何がゴマなのだと問われれば、花が似ているということだろう。確かに花だけ見ればゴマに似ている。
 観賞用に植えるには、でかい葉が目立つばかりで今ひとつ。ただ、どちらにせよ一年草だから、温度が保てれば栽培はできそうだ。
 なお、若い果実はピクルスの材料とされているらしい。

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 こちらは花の色が濃いもの。生育環境の問題かと思ったが、どうも別種のようだ。
 プロボスキデア属はたった9種しかない小さな仲間。そのうち、ツノゴマ以外にも、もっと濃い花色の植物が栽培される模様(フラグランス種)。もしかしたら、上の写真はその種かも知れない。

 なお、キバナツノゴマについては次の記事で紹介する。


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2011年4月24日日曜日

プルメリア(キョウチクトウ科)

プルメリア(キョウチクトウ科)
 熱帯アメリカ原産のプルメリア。プルメリア属の落葉小高木である。
 ハワイなどでも盛んに栽培されていて、レイの材料ともされる。一方でこの花は東南アジア方面でもポピュラーだったりする。

プルメリア(キョウチクトウ科)
 上の写真は、台湾台南市の安平にある安平古堡にて撮影。
 安平古堡とは、17世紀にオランダが台湾を支配した際のゼーランジャ城だが、プルメリアもオランダ人が伝えたらしい。台湾では三友花、緬梔、雞蛋花、番茉莉などの名がある。
 三友花の三友は普通は松竹梅だが、この場合はよく分からない。詩文に多かったようだ。
 緬梔の梔はクチナシのこと。緬は細い糸の意味だが、緬甸(ビルマ)かも知れない。東南アジア経由で伝わったという認識なら後者だろう。現在の台湾では、学術表記はこれを用いる。
 番茉莉は直前の記事の番石榴と同じく、西洋から伝わった意味の番と、茉莉花(ジャスミン)。プルメリアはかなり強烈な香りがある。

プルメリア(キョウチクトウ科)
 問題は雞蛋花だったりする。これは文字通り鶏の卵の花で、中央が黄色くて淵が白い花の色から名づけられた。しかし実は、野生のプルメリアの花はこの色ではないのだ。
 どうやら台湾には、野生種系ではなく黄色と白の園芸品種が先に伝わったらしい。実際、街で見かける花はほとんどこの色である。

プルメリア(キョウチクトウ科)
 こちらが野生種に近い色。たまに栽培されている程度だ。

 なお、プルメリアを仏教における聖なる花とする見解が、ある時期には存在していたらしい。
 1772年成立の朱景英『海東札記』巻三には、次のような項目がある。

 貝多羅花、樹多癭結、枝皆三杈、葉如枇杷、而厚韌過之、可以寫經、所謂貝葉也。
花瓣五出,間有六出者,大如小酒碊。瓣皆左紐白色、近芷則黄苞微紫、香如擘橙、日開數萬朵、落地如鋪銀。略無萎意。
余署前庭一株、老樹屈蟠、婆娑廣蔭、竟歳在馥郁中、殊饒佳致。


 貝多羅とは古代インドで紙のように用いられたもので、経典が書かれることから神聖視される。普通はパルミラヤシの葉のはずである。
 しかし、ここで貝多羅として紹介される内容を読めば、ヤシ類ではないとすぐに分かる。白い花が咲き芳香のあるこの植物を、潘富俊『福爾摩沙植物記』はプルメリアととらえている。
 寺廟に飾られたり、はたまた葬儀に使われたり、そうした宗教的色彩を与えられたからこそ、ポピュラーな花になったのかも知れない。

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2011年4月23日土曜日

バンジロウ(フトモモ科)

バンジロウ(フトモモ科)
 ここは台湾台南市内のとある小学校。校庭に植えられた木の一つに、白い花が咲いていた。
 ギンバイカとかフェイジョアみたいな花だなぁ……なんて思えたなら、ほぼ正答に行き着いている。え、無理だって?

バンジロウ(フトモモ科)
 まぁ冗談はさておき、これはバンジロウの花だ。バンジロウというよりもグァバと呼ぶ方が一般的だが、一応日本ではバンジロウが一般的だったはず。別にどっかのオッサンの名前ではなく、番石榴の音読みだ。
 なお番石榴は番の石榴で、石榴はザクロを指す。番は本来は中国西方の異民族だが、この場合は西洋人が伝えたことを意味しているだろう。

 原産地は熱帯アメリカで、スペイン人が西洋に伝えた。台湾にはオランダ統治時期に伝来したらしいが、オランダ人が運んだかは分からない。台湾にはスペインも拠点を作ったから(後にオランダに追い出される)、スペイン経由の可能性もありそうだ。

バンジロウ(フトモモ科)
 フラッシュが光って嫌な感じの写真だ。申し訳ないが、これは撮影地が悪い。なんと京都府立植物園の温室だったりする。
 熱帯植物を紹介するのに、日本の温室の写真を載せるのは、個人的にはかなりの敗北感を伴う。読者にはどうでもいい話だな。

 こうやって果実を見れば、グァバと呼んだ方がいいだろう。
 実際のところ、現在は台湾でも番石榴とは呼ばれていない。一般には芭樂で、まさしくグァバのあて字である。ついでにいうと、芭樂は北京音だとパーラーになるので、水果店が名前に使ったりしている。台南の夜市の例はこちらを御覧くだされ(リンク先は姉妹ブログでござる)。

バンジロウ(フトモモ科)
 これも府立植物園。
 どうも生食ではうまいと思えなかったので、写真が乏しい要因となっている。台南の水果店で飲んだ原汁(100%ジュース)はうまかったけどね。

グァバ(フトモモ科)
 府立植物園で終わるのもアレなので、最後は市場の写真でしめる(台北市内)。
 1個50円ぐらいのようだ。買ってないけど。

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