2010年7月28日水曜日
ハナキリン(トウダイグサ科)
マダガスカル原産で、日本ではハナキリン(花麒麟)の名で流通するトウダイグサ属の常緑低木。トウダイグサ属とはEuphorbia、つまりユーフォルビアであり、この花もそういう分類で売られているようだ。
写真の右側の赤い花がそれだ。撮影地は台南市内の植え込みである。
なお、赤い花と呼んではいるが、赤い花弁のように見えるのは総苞葉だ。
同じく台南市内の城隍廟前の広場に植えられていたもの。トゲに覆われた幹が見える。
日本では温室栽培されるこの花も、台湾では路地で普通に育つ。そしてそれ故に、最近槍玉に上がっているらしい。このタイミングで取り上げる理由は、そうしたニュースを耳にしたためである。
台南市の開元寺にて。
自由時報の記事だが、公園路燈管理處の資料によれば、台北市内の街路には64種の有毒植物があるという。なかでも危険な2種として、海檬果(キョウチクトウ科のミフクラギ)と麒麟花(ハナキリン)が挙げられる。
一般にトウダイグサの仲間は茎を傷つけると白い液体がしみ出し、これが有毒とされる。ハナキリンもまさしくトウダイグサ属の特徴をそなえているわけだ。
とはいえ、誤って口に入ると危険だから植えるな、という論理はどうなんだろうか。そんなことを言い出したら、日本中の庭からアセビを刈り取らなきゃいけない(アセビの毒はハナキリンの比ではない)。
最後の写真は京都府立植物園にて。温室の隅に咲いていたものである。
台湾にハナキリンが伝わったのは1868年頃らしい(『福爾摩沙植物記』による)。元々が外来の植物だから、駆除してもいいのでは……という考え方にも、必ずしも賛同できない。
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