2012年3月26日月曜日
フイリソシンカ(マメ科)
3月の台南。遠目にはモモが咲いているような景色が見えた。
近くで見ると、今度はツツジのような花。
しかし何か違う。というか、どこかで見たことあったような……。
この花はバウヒニア属のBauhinia variegata L.で、フイリソシンカという和名もある。中国南部原産の熱帯系植物だが、亜熱帯なら温室でなくとも育つ。
私は沖縄にはかなりの回数出掛けているので、そこで見たのかも知れない。
アップの写真。やはりツツジだ。アマミセイシカとか、南方系のツツジに似ている。
しかしこの植物、何とマメ科である。確かに葉の形は、ハブソウなんかに似てるけどね。
果実を見れば、一目瞭然のマメ科。どっちにしても日本では、沖縄ぐらいでしかお目にかかれない花である。
なおバウヒニア属には、日本にも分布するハカマカズラがあり、属名もハカマカズラ属と呼ばれることがある。ただ、ハカマカズラはかなり形態が異なる種で、別属とする見解もあるという。
さぁ突然の更新再開だ。
本ブログは姉妹ブログのおまけなので、姉妹ブログが動き出せば、こちらも動く。もう二つぐらいは記事を書くと思う。
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2011年8月5日金曜日
トウガン(ウリ科)
トウガン(冬瓜)は、熱帯アジアもしくはインド原産とされる。ウリの一種ではあるが、単独でトウガン属に分類される。
日本伝来は遙か昔のことで、遅くとも平安時代には栽培されていた。中国には三世紀伝来との話もあるから、実際にはもっと古いのだろう。
花はキュウリなどとそっくり。雌雄同株である。
古い野菜だけど、最近では人気はイマイチといわれるトウガン。しかし、私が京都に住んでいるせいもあるだろうが、特に珍しい野菜ではない。調理も難しくないし、ダシで煮たら上品な味でうまいよね。
ちなみにトウガンは、大航海時代の間に西洋にも伝わった。ただしヨーロッパ諸国では全く人気が出ず、現在栽培しているのはアジア地域ぐらいらしい。
隣の国、台湾では驚くべき利用がなされているぞ。
店頭に飾られたトウガンの実。台南市安平にある冬瓜茶の店の光景である。
台湾では、主に南部で冬瓜茶が飲まれている。お茶といっても、乾したものを煎じるわけではない。生の実を煮込んで作った汁を冷やして飲む。糖分もたっぷり入っている。感覚的には紅茶に近い。
別の有名店で買ったもの。左が普通の冬瓜茶で、右は牛乳入りだ。牛乳入りは、まさしくミルクティー感覚で飲む。知らない人には想像つかないだろうが、全く違和感なく飲めるし、良い店の冬瓜茶はかなりうまい。
トウガンはほとんどが水分で、栄養素はごくわずかしか含まれていないという。なので、飲んだら身体にいいという主張は難しいだろう。
けれど、炎天下の街で水分補給したい時に、冷たい冬瓜茶ほど適した飲み物はないのでは? そう言いたいぐらい、街歩きで飲む一杯はうまいよ。
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2011年7月26日火曜日
2011年7月25日月曜日
クサスギカズラ(ユリ科)
クサスギカズラは日本など東アジアの、主に浜辺に自生する多年草。漢名は天門冬(テンモンドウ)で、古来薬草として知られる。『神農本草経』には次のようにある。
天門冬 味苦、平。主諸暴風濕偏痺、強骨髓、殺三蟲、去伏尸。久服、輕身、益氣、延年。
一方でこの植物はアスパラガス属、つまりあの野菜のアレと同じ仲間である。アスパラはもっぱら食用だけど、観賞用の植物も多い。まぁ上の写真を見て「観賞用」だと思える人はいないだろうが。
ちなみに上の写真はつい先日、小石川植物園で撮影した。
これは去年の7月に小石川植物園で撮影。つまり同じ株である。
クサスギカズラは雌雄異株。私はここの株に実が成っているのを見たことがない。足しげく通える状況ではないから、単に時期が合わなかっただけかも知れないけどね。
同じような写真ばかり続く。これは2008年7月に小石川植物園で撮影。同じ株だ!
そして2007年7月に小石川植物園で撮影。これも同じだ!!
なんで撮影地をしつこく書いたかといえば、久々に訪れた小石川植物園で、その荒廃ぶりに驚いたからだ。
薬草標本園に関しては、恐らくは今年になって一度も手入れをしていないのではないか。方々で植物が枯れているだけでなく、生きているものは伸び放題、花が終わっても摘まないから実が成り放題。あまりの状況に呆れてものも言えなかった。
もしかして、内部の人間関係の影響で放棄されてしまったのだろうか。大学の施設という扱いだけに、何らかのトラブルがあった可能性は高い。
けれど、小石川の地の歴史故に植物園があるのであって、一大学の私物ではない。ロクに管理もできないなら、研究機関など名乗るなと言いたい。
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2011年5月8日日曜日
ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
こちらもジャスミンの仲間。日本に伝来したのは最近なので、あえて学名そのままで表記してみる(Jasminum polyanthum Franch.)。一般にはハゴロモジャスミンの名で流通しており、日本で普通に育つ珍しい種類なので、本種を茉莉花と認識する人もいるようだ。
原産地は中国南部。比較的最近に勢力を広げ始めたジャスミンである。
北日本はさておき、近畿の街中でもこれぐらいは咲いている。
上二枚と同じ木の写真だが、別の年に撮った蕾。大阪府下の某所である(公共な空間ではないのでぼかしておく)。
実は私のマンションのベランダにも植えてある。最初は窓寄りに置いたが、全く花が咲かなかった。ところが鉢をベランダの一番外側に移したら、急に成長して花を咲かせるようになった。耐寒性があるとはいえ熱帯の花なので、強い日光に当てないといけないようだ。
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2011年5月7日土曜日
マツリカ(モクセイ科)
音だけ聞くと、どこかから北島三郎が出現しそうだが、漢字で書けば茉莉花。要するにジャスミンである。あっという間に消えたアイドル歌手の歌でも有名ですね。
ジャスミンというのはヤスミヌム属の総称なので、同じものを指すとは限らない。その中で、東アジアのジャスミンといえば、本種である。学名はJasminum sambac (L.) Ait.で、東南アジアの原産とみられている。
日本では温室栽培しか方法がないから、こんな風に街角で見かけることはまずあり得ない(写真は台湾の台南市内で撮影)。
もちろん強い香りがある。ジャスミン茶に混ぜられるのも本種だ。まぁ安物のジャスミン茶は、香料を使ったインチキ茶の可能性があるけどね。
なお、茉莉花という名は実は仏教に由来する。サンスクリットのマーリカーが、漢訳仏典で末利華になった。それは『法華経』では、経典を読んだり書写したりする善男善女が嗅ぐことのできる、仏世界の香りとされる。
だから寺廟にお供えされるわけだが、香りに慣れない私なんぞにとっては、ちょっときつすぎると感じるのも事実なのよね。
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2011年4月28日木曜日
オウソウカ(バンレイシ科)
オウソウカといっても、どっかのオヤジが偉そうに頷いているわけではなく、鷹爪花の音読みに過ぎない。
というか、日本ではほとんど栽培されないから、基本的に和名は存在しない。ただしご近所の国ではわりとポピュラーだから、とりあえずその名を拝借しただけだ。
学名はArtabotrys hexapetalus (L. f.) Bhandanである。アルタボトリス属で、日本で栽培される種類は特にない。そもそもバンレイシ科はほぼ熱帯のみの仲間である。
あいにく実の写真しかない。鷹爪花、鷹爪蘭、鷹爪桃、鷹桃花、油桃花などの名前のうち、「桃」はこの実の形に由来する。桃の実というか、中の種のほうね。
この植物は中国南部原産で、南方では非常に人気がある。それは強い香りの花から香料をとったため。東南アジアでは産業植物として栽培されている。
写真はいずれも台湾台南市の開元寺にて撮影した。
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