2011年5月8日日曜日

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 こちらもジャスミンの仲間。日本に伝来したのは最近なので、あえて学名そのままで表記してみる(Jasminum polyanthum Franch.)。一般にはハゴロモジャスミンの名で流通しており、日本で普通に育つ珍しい種類なので、本種を茉莉花と認識する人もいるようだ。

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 原産地は中国南部。比較的最近に勢力を広げ始めたジャスミンである。
 北日本はさておき、近畿の街中でもこれぐらいは咲いている。

ヤスミヌム・ポリアンツム(モクセイ科)
 上二枚と同じ木の写真だが、別の年に撮った蕾。大阪府下の某所である(公共な空間ではないのでぼかしておく)。
 実は私のマンションのベランダにも植えてある。最初は窓寄りに置いたが、全く花が咲かなかった。ところが鉢をベランダの一番外側に移したら、急に成長して花を咲かせるようになった。耐寒性があるとはいえ熱帯の花なので、強い日光に当てないといけないようだ。

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2011年5月7日土曜日

マツリカ(モクセイ科)

マツリカ(モクセイ科)
 音だけ聞くと、どこかから北島三郎が出現しそうだが、漢字で書けば茉莉花。要するにジャスミンである。あっという間に消えたアイドル歌手の歌でも有名ですね。

 ジャスミンというのはヤスミヌム属の総称なので、同じものを指すとは限らない。その中で、東アジアのジャスミンといえば、本種である。学名はJasminum sambac (L.) Ait.で、東南アジアの原産とみられている。
 日本では温室栽培しか方法がないから、こんな風に街角で見かけることはまずあり得ない(写真は台湾の台南市内で撮影)。

マツリカ(モクセイ科)
 もちろん強い香りがある。ジャスミン茶に混ぜられるのも本種だ。まぁ安物のジャスミン茶は、香料を使ったインチキ茶の可能性があるけどね。

 なお、茉莉花という名は実は仏教に由来する。サンスクリットのマーリカーが、漢訳仏典で末利華になった。それは『法華経』では、経典を読んだり書写したりする善男善女が嗅ぐことのできる、仏世界の香りとされる。
 だから寺廟にお供えされるわけだが、香りに慣れない私なんぞにとっては、ちょっときつすぎると感じるのも事実なのよね。

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2011年4月28日木曜日

オウソウカ(バンレイシ科)

オウソウカ(バンレイシ科)
 オウソウカといっても、どっかのオヤジが偉そうに頷いているわけではなく、鷹爪花の音読みに過ぎない。
 というか、日本ではほとんど栽培されないから、基本的に和名は存在しない。ただしご近所の国ではわりとポピュラーだから、とりあえずその名を拝借しただけだ。
 学名はArtabotrys hexapetalus (L. f.) Bhandanである。アルタボトリス属で、日本で栽培される種類は特にない。そもそもバンレイシ科はほぼ熱帯のみの仲間である。

オウソウカ(バンレイシ科)
 あいにく実の写真しかない。鷹爪花、鷹爪蘭、鷹爪桃、鷹桃花、油桃花などの名前のうち、「桃」はこの実の形に由来する。桃の実というか、中の種のほうね。
 この植物は中国南部原産で、南方では非常に人気がある。それは強い香りの花から香料をとったため。東南アジアでは産業植物として栽培されている。

 写真はいずれも台湾台南市の開元寺にて撮影した。

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2011年4月27日水曜日

ギンコウボク(モクレン科)

ギンコウボク(モクレン科)
 閩南式の赤っぽい屋根と対照的な明るい緑の葉。これは台湾の台南市にある開元寺で撮影した。

 ギンコウボク(Michelia M. × alba DC.)は中国南部などで栽培される常緑高木。オガタマノキの仲間である。
 学名でも分かるように、現在は雑種とみなされている。ただし雑種といっても最近のものではないようで、潘富俊『福爾摩沙植物記』によれば、明代には中国南部で栽培されていたという。
 ただし潘富俊は雑種説に立たないので、五百年前の話が本種そのものなのかは議論の余地がありそうに思える。

ギンコウボク(モクレン科)
 目立つのは葉ばかり。ホウノキに似た感じなので銀厚朴らしい。『園芸植物大事典』に従っているが、ほとんど栽培されないなかで、この和名がどれほど知られているかは微妙だ。

 台湾では白玉蘭。これは玉蘭(ハクモクレン)に対する名で、中国の文人が愛好したハクモクレンの代用品的な意味合いもあったらしい(台湾の平地ではハクモクレンが育たない)。
 もっとも、大陸ではハクモクレンを白玉蘭と呼んだりもするようなのが困ったところ。その場合、本種は白蘭花だったり白蘭だったりする。

ギンコウボク(モクレン科)
 ただし見た目は地味でも、この花は強い香りをもっている。
 台湾への伝来は鄭氏政権期とみられているが、それは大陸側でこの花を愛好していた人々が渡ってきたから、同時に伝わったということのようだ。

 寒さに弱いので日本での栽培は難しい。しかし温暖な台湾や中国南部においては、比較的育てやすい。

香花
 こんな利用法もある。寺廟に捧げられた香花である。しぼんだ白い花にはこれも混じっていると思われる(大半はジャスミンだろうけど)。
 この花盆は近寄ると強烈な香りがあって、一度嗅げば忘れられないものだ。ついでに、どうにか売りつけようとするオバサンのしつこさも忘れがたい。
 というか、滅茶苦茶高いのよね、これ。台南の某所で、まだ台湾慣れしていなかった私が間違って買ってしまった花盆は、なんと200元(600円弱)もした。だいたい、お菓子付きの拝拝セットでも100元なのだから、べらぼうな値段である。
 屋台の飯なら二人で食っても200元には届かないことが多い。とんでもない値段である(しつこいな)。

ギンコウボク(モクレン科)
 寺廟にも多い木の紹介が、そんな下世話な話で終わるのもアレなので元に戻す。老木の幹の様子でも見ておくれやす。
 花盆以外すべての撮影地の開元寺は、私のお気に入りの場所である。仏教寺院はこういう空気じゃなきゃなぁ、と思えるところなので、皆さんも行ってみよう(詳しくは姉妹ブログを見てね)。

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2011年4月26日火曜日

トウゴマ(トウダイグサ科)

トウゴマ(トウダイグサ科)
 ツノゴマに続いてゴマの名をもつ仲間。もちろんこれもゴマとは関係ないし、食えるわけでもない。というか、絶対に食べてはいけない。猛毒である(加熱すれば分解するという話もあるようだが)。
 トウゴマはトウダイグサ科リキヌス属で、日本で育てると一年で枯れてしまう。ただし熱帯では枯れずに高木状になる。10m近くになるらしいぞ。
 漢名は蓖麻。これを音読みすればヒマで、日本でもこの名で呼ばれることが少なくない。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 枝の上から順番に咲くので、イガイガの実の下には、お世辞にも美しいとは形容できない花が咲いていたりする。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 汚れた泡のような雄しべはさておき、この植物は熱帯アフリカのどこかに自生していたものが、世界中の熱帯に広まった経緯をもつ。それだけの価値があったわけだ。
 ヒマの名で分かる人は分かるはずだが、この植物の種子をしぼると、油がとれる。先に述べたように猛毒なので決して食用油にはならないけれど、工業用油としては優秀だ。つまり、ヒマシ油である(漢字で書けば蓖麻子油)。
 繁殖力が強いので、各地で雑草化しているそうな。

トウゴマ(トウダイグサ科)
 潘富俊『福爾摩沙植物記』によれば、台湾にはオランダ統治期に伝来したが、日本統治時代に大量栽培がなされたという。ヒマシ油の品質もさることながら、成長が早くてすぐに収穫できるという利点もあったようだ。
 ただし、経済栽培ができなくなると、一転して厄介な帰化植物と化すことになる。皮膚病などの薬として利用することもできるそうだが、何しろ毒があるので、一般人が適当な知識で使うわけにもいかないだろう。

 上の写真のように花が咲きかけの頃は、比較的見栄えもする。いけばなへの利用が、昨今では一番ポジティブな利用法なのではなかろうか。

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2011年4月25日月曜日

キバナツノゴマ(プロボスキデア科)

キバナツノゴマ(プロボスキデア科)
 ツノゴマに似た実がつくが、花も葉もかなり違う。プロボスキデア属ではなく、イビケラ属に分類される。南アフリカ方面の原産である。
 たまたま、この植物を栽培しているところを見学した関係で写真は撮影したけど、どのように利用されているかは不明。観賞用になるとは考えにくいし、この植物の実がピクルスに使われるかも定かではない。

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ツノゴマ(プロボスキデア科)

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 ゴマとは全く無関係なツノゴマ。熱帯アメリカ方面の原産だ。
 写真のように、その実がなんかの角っぽいから角胡麻。属名プロボスキデアはギリシャ語の「象の鼻」だそうで、いずれにせよ反り返った実の形に由来する。

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 で、何がゴマなのだと問われれば、花が似ているということだろう。確かに花だけ見ればゴマに似ている。
 観賞用に植えるには、でかい葉が目立つばかりで今ひとつ。ただ、どちらにせよ一年草だから、温度が保てれば栽培はできそうだ。
 なお、若い果実はピクルスの材料とされているらしい。

ツノゴマ(プロボスキデア科)
 こちらは花の色が濃いもの。生育環境の問題かと思ったが、どうも別種のようだ。
 プロボスキデア属はたった9種しかない小さな仲間。そのうち、ツノゴマ以外にも、もっと濃い花色の植物が栽培される模様(フラグランス種)。もしかしたら、上の写真はその種かも知れない。

 なお、キバナツノゴマについては次の記事で紹介する。


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