2011年4月26日火曜日
トウゴマ(トウダイグサ科)
ツノゴマに続いてゴマの名をもつ仲間。もちろんこれもゴマとは関係ないし、食えるわけでもない。というか、絶対に食べてはいけない。猛毒である(加熱すれば分解するという話もあるようだが)。
トウゴマはトウダイグサ科リキヌス属で、日本で育てると一年で枯れてしまう。ただし熱帯では枯れずに高木状になる。10m近くになるらしいぞ。
漢名は蓖麻。これを音読みすればヒマで、日本でもこの名で呼ばれることが少なくない。
枝の上から順番に咲くので、イガイガの実の下には、お世辞にも美しいとは形容できない花が咲いていたりする。
汚れた泡のような雄しべはさておき、この植物は熱帯アフリカのどこかに自生していたものが、世界中の熱帯に広まった経緯をもつ。それだけの価値があったわけだ。
ヒマの名で分かる人は分かるはずだが、この植物の種子をしぼると、油がとれる。先に述べたように猛毒なので決して食用油にはならないけれど、工業用油としては優秀だ。つまり、ヒマシ油である(漢字で書けば蓖麻子油)。
繁殖力が強いので、各地で雑草化しているそうな。
潘富俊『福爾摩沙植物記』によれば、台湾にはオランダ統治期に伝来したが、日本統治時代に大量栽培がなされたという。ヒマシ油の品質もさることながら、成長が早くてすぐに収穫できるという利点もあったようだ。
ただし、経済栽培ができなくなると、一転して厄介な帰化植物と化すことになる。皮膚病などの薬として利用することもできるそうだが、何しろ毒があるので、一般人が適当な知識で使うわけにもいかないだろう。
上の写真のように花が咲きかけの頃は、比較的見栄えもする。いけばなへの利用が、昨今では一番ポジティブな利用法なのではなかろうか。
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