2010年4月6日火曜日
ダンチク(イネ科)
ダンチクはイネ科ダンチク属の多年草。主に海岸近くに自生する。別名はヨシタケ、漢名は蘆竹。
基本的に暖かい地域の植物で、日本では関東地方以西の太平洋側などに分布する。アジアから地中海沿岸まで分布域は広い。
ススキやアシとは花の形が違う(というか葉も全然違う)が、興味のない人には区別できないかも知れない。ただ、それらより圧倒的にでかいので、慣れればすぐに分かる。
和歌山方面などでは、風除けに植えられたり、なれ鮨を包んだりする。その際の呼び名はアセである。
上の写真は栽培されたもの。斑入りの園芸品種フイリセイヨウダンチク(オキナダンチク)である。この園芸種は原種より小さめと言われるが、しっかり3m近い高さがある。遠くからでもすぐに見つけることが出来るぞ。
花は秋に咲く。上の写真は9月22日撮影である。
まぁこの花を見てススキと間違うことはなかろう。
野生のダンチクは、こんな感じ(香川県の荘内半島にて撮影)。はっきり言って見栄えはしない。荒れた海岸の景色という程度の印象しか与えないだろう。
なお、海岸近くに自生するくせに、ダンチクは塩分が苦手らしいぞ。まぁダンチクの勝手だがね。
しかし庭園にあったりすると、びっくりするほど映えるのも事実。こちらは奈良の不退寺だ(カメラが古いのと日没間近につきイマイチな写真)。
※「蘆竹」
これが元々ダンチクを指したかは怪しい。元の李衎は以下のように記すが、「秋蘆竹」の説明には、アシに似て荻蔗(サトウキビの類)みたいだとあり、ダンチクっぽく読める。実際、サトウキビとダンチクは葉の付き方が似ている。
蘆竹 出閩越山中、沿海諸郡皆有之、形如蘆故名。戴凱之竹譜云、有竹象蘆因以為名。東甌諸郡縁海所生、肌體匀浄筠色潤貞、凡今之箎匪兹不鳴、今作簫篪之類、聲最清亮、又堪為矛㦸之榦、又堪為筆管、但葉闊而利筍、苦而可食。
秋蘆竹 其竹似蘆身、如荻蔗、冬月不凋挿之如生。(李衎『竹譜』巻第五)
蘆竹[生溪澗濕處叢小葉疎](『福建通志』巻第十一)
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