葉の形で命名するとろくなことにならない代表例、ウマノアシガタ。要するにキンポウゲだが、こちらは八重咲きの園芸種に名づけられたとされる。ネットで検索しても同じ説明がそこらじゅうに見える。
本当にそうだろうか?
ちなみに伊藤伊兵衛『花壇地錦抄』には次のような項がある。
金鳳花 [中末] 花金色。せんよ、ひとへあり。銀鳳花といふハ白ひとへ。(『花壇地錦抄』巻四・五)
※この書は季節を初・中・末に分類する。「中末」とは中旬以降に咲くという意味。
17世紀末の時点で、一重も八重も等しくキンポウゲであった。ついでに白の一重はギンポウゲだそうな。念のためギンポウゲで検索したらなかなか笑える結果が出たぞ。
兵庫県の某鉄道沿線の土手で撮影。近畿では4月半ばから見頃となる。
例によって雑然と咲くし、花は小さめだから安物カメラでは撮りにくい。
無理矢理接写すればこのぐらいになるが、これでは全体像が分からないわけで。
伊吹山のウマノアシガタ(6月初旬撮影)。高山植物のミヤマキンポウゲとは違って、あくまで平地と同じ種が矮性化しただけだそうな。
この形質が完全に遺伝すれば、品種ぐらいにはなるだろうが、そういう扱いでもないようだ。
キンポウゲ属を学名表記すればRanunculus、ラナンキュラスとなる。従ってウマノアシガタも立派なラナンキュラスなのだが、一般にはこれも八重咲きに限られるようだ。
上の写真はゴールドコインという、最近流行りのラナンキュラス。いかにも元はウマノアシガタでした、という感じである。まぁ実際にウマノアシガタそのものを改良したわけではないと思うが。
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