2010年4月10日土曜日

ホウオウボク(マメ科)

ホウオウボク(鳳凰木)
 ホウオウボクはマメ科デロニクス属の木本。ジャケツイバラ科をマメ科と区別する場合は、デロニクス属もジャケツイバラ科ということになる。とりあえずここでは小学館『園芸植物大事典』に従っておく。
 上の写真は樹形を見せようと思ったわけだが、何とも冴えない感じになってしまった。ただし、実際のホウオウボクはこんな感じで、ところどころで花が咲いているから、見栄えのしない木の方が多いと思う。

ホウオウボク(鳳凰木)
 いかにも南国の花という雰囲気。花弁は5枚で、ほぼ赤一色だ。
 完全に混同していたオウコチョウは花弁の先端が黄色で、雄しべと柱頭が突き出すので、知ってさえいれば区別は簡単だ。

ホウオウボク(鳳凰木)
 基本的に熱帯の花なので、上の写真では豆果も同時に写っている。これら三枚はすべて台湾の古都、台南市内で撮影したものである。

 元来はマダガスカル島の原産らしいホウオウボクが、台南(というか台湾)に持ち込まれたのは19世紀末、日本統治が始まってからの話。
 台南は今でこそ人口77万の地方都市だが、オランダ、鄭成功、清と続く台湾支配においては、常にその中心であった。清代の末から台北に比重が移り始め、日本統治時代にそれが決定的となったとはいえ、南台湾第一の都市として、日本政府は積極的に改造をすすめたわけである。
 ホウオウボクはそんな日本の都市計画の一環として持ち込まれた。城壁に囲まれた中国の地方都市から、西洋的近代都市に改造された台南市にふさわしい街路樹として、市街地に植えられたのだ。20世紀初頭の台南市は「鳳凰城」と呼ばれ、今ではすっかり市街の景色の一部となっている。
 ただし残念ながら、この木は美しいものの虫害が多く、現在ではかなりが伐られてしまったという。それでも孔子廟の周辺など、あちこちに大木があるので、台南を巡れば一度は見かけるはずだ。

※台南観光については姉妹ブログ「derorenのホ~ムペ~ジ」に極めて詳しく書かれてあるので、是非併読の上、旅してくだされ。

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