2010年6月4日金曜日

エニシダ(マメ科)

エニシダ(マメ科)
 エニシダはマメ科エニシダ属の常緑低木。
 元はヨーロッパに自生する種が、世界に広まった。日本にも17世紀には既に伝来している。そしてそのために、この珍妙な和名になってしまったわけである。

エニシダ(マメ科)
 花を見た瞬間にマメの仲間だと分かるぐらい典型的な蝶形花冠、そして実るのは豆果。そういう意味では、日本でも違和感なく受け入れられたのかも知れない。
 現在のエニシダ属の綴りはCytisusで、これを音にすればキティスス。しかしこの植物は、かつてゲニスタ属(Genista)の花として扱われた。江戸時代にこれを運んで来たと思われるオランダ人の発音か、あるいはスペイン語だったのか諸説あるが、ゲニスタがエニシダの語源であったことは間違いないのだろう。

 なおゲニスタ属のヒトツバエニシダは、日本でもごく稀に栽培されている。棘がないので区別は簡単のようだ。区別する機会はそうそうないだろうけど。

ホホベニエニシダ(マメ科)
 最近は基本種よりも人気がありそうなホホベニエニシダ。意外に歴史は古く、19世紀末にフランスのノルマンディ地方で発見された。なのでNormandy broomなどと呼ばれるそうな。
 日本には明治の末には伝わっているから、もう百年は経っていることになる。

 なおエニシダには、ヒトツバエニシダのように別属だが似たような和名のものがあったりする。そもそも同時期に咲くマメ科の黄色の花の低木は、案外多いので見分けがつきにくいのである。

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